EVGA GeForce GTX 1070 GAMINIG ACX3.0 のサーマルパッド取り付け
使用中のEVGA GeForce GTX 1070 ACX3.0には発火の可能性がある!
2016年にGeForce GTX 10XXシリーズが発売されたが、発売当初の日本ではご祝儀価格となっていたためアメリカのアマゾンでEVGA製の1070 ACX3.0ビデオカードを購入した。
ACX3.0とはEVGAの独自ビデオカードクーラーの名称なのだが、ACX3.0はVRM(電圧変換子)の冷却が十分でなかったため3D Mark実行などの高負荷時にVRMが以上発熱し、最悪の場合はビデオカード基板上の素子が焼け焦げる事態が発生した。
EVGAはVRMの冷却を助けるためのサーマルパッドを購入者に無料提供し、冷却能力アップのためのビデオカードBIOSも配布することになった。
私が購入したビデオカードはこの問題に該当するカードだったが実際のところ特に問題なかった。VRM温度はサーモグラフィなどを使って測定しないとわからないので気が付いていないだけかもしれないが、かなりの数量が売れたカードだが世界的にも焼け焦げた事例は少ないようだ。
だが今後数年使ってカードの劣化が進んだ状態だと発熱問題が起きるかもしれないし、なによりビデオカードをいじるのは面白そうなのでEVGAにサーマルパッドを申請し取り付けることになった。
サーマルパッドは自分でビデオカードを分解して取り付ける必要があるが保証は切れないとのこと。
EVGAから届いたものは大小いくつかのサーマルパッドとGPUグリス、そして取り付け説明書。発送元は台北。
説明書を見ながらビデオカードを分解していく
基板裏面のネジを外していく
バックプレートを外してからクーラーを外す
GPUを取り囲むVRAMにはサーマルパッドが取り付けてあるが、GPUの右側にあるVRM(5つ)にはない。
VRAMのサーマルパッドを取り外し、VRAMとVRMに新しいサーマルパッドを取り付ける。
GPUにグリスを乗っけてクーラーを取り付ける
バックプレートの裏側にもサーマルパッドを追加しVRMを冷やす
バックプレートを取り付けて完了
ついでにケース内部も清掃し、固形化していたCPUグリスも3年ぶりに塗り替えた。
サーマルパッドはVRMを冷却することが目的なのだがVRM温度を測定する方法が無いため効果はわからない、サーマルパッド取り付け前・取り付け後・さらにBIOS更新のそれぞれで3D MARK Time Spyを走らせてGPU温度などを確認したところ以下のようになった。
取り付け前 | 取り付け後 | 取り付け後BIOS更新 | |
---|---|---|---|
最大GPU温度 | 71℃ | 72℃ | 64℃ |
最大GPUファン | 733RPM | 798RPM | 1110RPM |
最大CPU温度 | 58℃ | 57℃ | 57℃ |
Time Spyスコア | 5022 | 5053 | 5096 |
Graphics score | 5693 | 5749 | 5794 |
CPU score | 3013 | 2998 | 3029 |
サーマルパッド取り付け前後でGPU温度に変化は見られない。まあ当然か。
BIOS更新でGPUファン回転数が4割ほど上がったことでGPU温度が8℃ほどさがった、これだけファンが回るようになればVRM温度も下がっているだろう。
回転数が増えているがファン音は特に大きくなったように感じない、というか聞こえないし、これまで1070のファン音を感じたことが無い。
GPUが冷えることでGPU Boostが効きやすくなってスコアも上がることを若干期待していたが効果はないようだ。